アイルランドにて。

1ヶ月のアイルランドでの留学の日記。

3月7日 海外に来て感じる日本の食文化

今日もいつもどおりシリアル、オレンジジュース、ミルクティーで朝食を済ませ大学へ。

午前の最初の授業では、英語でどうやって自分を売り込むかについて。
就活中というシナリオで、英語で企業へ自分を売り込む表現を考えてみようというもの。
やけに大袈裟な表現も使えないし、控えめなものもいけない。
客観的に見え、かつ自分をよく見せる表現というものは日本語でも難しい。

2つめの授業では、U2(アイルランドを代表するビッグアーティストだ)の"one"を聞いて歌詞の内容を考察するという、むちゃくちゃに難しい授業であった。
最近は急に難易度を上げてきた気がする…。
これは欧米のひとでも歌詞の考察は少し悩むのではないだろうか。深かった。


お昼は未だに行ったことの無かった学内のレストランでラザニアを注文。チップス付きで5ユーロ。
ラザニアなんてもう何年も食べていなかったが、これは本当に美味しかった。
なによりもアイルランドで食べるものとしては珍しくしっかり味がついていた。
帰国する前にもう一度食べておきたい。
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午後は、この留学の最後に提出するショートエッセイの執筆と添削。
この留学でライティングの方もかなり手応えがある。もう少しなので、丁寧に仕上げたい。


放課後は、アイルランド人の学生と話をした。
日本語の文法では”〜で、”、”〜て、”というセンテンスをつなげる表現を教えた。
どうして日本語はこうやって、センテンスを長くすることが好きなのだろう。

今日話していて一番盛り上がったトピックが「食事」のこと。
特に料理ごとにお皿を分けることはかなり衝撃的なようだ。
もはや当たり前過ぎて意識をしてなかったが、アイルランド人にとっては驚きなようだった。
ホストマザーにも同じ話をすると、「洗い物が増えるわ、日本の主婦は大変ね」と言っていた。
Why?とも聞かれ、料理ごとに味が違うから味が混ざることを日本人は嫌うと説明したけれども、あまりピンときていなかったようだ。

確かに、アイルランドでは全体的に薄味であることが多い。(これに苦しむ留学生は多い)
さらに、肉、ポテト、野菜とどれも同じ味付けだ。

今まで訪れた国々で皿ごとに料理を分ける国と言うと、フランスくらい(コース方式だけども)。
知っている範囲では、中国も日本と同じだと思うのだがどうだろう?(取り皿方式か…?)

するとやっぱり、食にこだわるような食文化を持つ国の特徴として、お皿をわけるという文化があるように思えてくる。
日本人は”隠し味”や”さしすせそ”といった言葉に代表されるように、多様な調味料をつかって料理をして、その微妙な違いを楽しむ文化を持っていると言えるかもしれない…。
日本と世界との食の違いを考える一日だった。

3月6日 Adare(アデア村)

今日は、朝から寝坊してしまった。
20分でなんとか支度を済ませて1限の授業に間に合わせた。

朝ごはんを食べていないからと、ホストマザーがサンドイッチをもたせてくれた。
とても嬉しかった。こちらに来て以来、本当によくしてもらっている。帰国前になにかしないと。


1限の授業では、1対1のディベートを行った。
あらかじめ、ちょっとした準備をできる時間があったのだけれども、結局ディベートをやりながら考えて論理的に筋の通った英語を話さないといけないので、大変だった。
周りの人に分かり易く伝えることも必要で、単語や表現のチョイスも考えながらのディベートだった。

2限目では、世界の7不思議の中から1つを選んで2人1組で5分間のプレゼンテーションを行うという内容だった。
昨日の授業終わりに「明日こういう内容でプレゼンテーションやってもらうから準備しといてね」といつも通りの感じでふられていたが、結局昨日はまともに準備せずに寝てしまっていた…。
休み時間で調べたマチュピチュについての内容でなんとかやりきったけれども、話し方なんかは前よりも手応えが良かった気がする。


お昼は学内のパブでお気に入りのHot Chicken roll。
明日はパブの隣のレストランでランチを食べようと思う。
こっちでの昼食は毎日の楽しみだったりする。


午後はshort trip。今日はリムリックから10kmほど離れたAdareという小さな村を訪れた。
本当に小さな村で、10分あるけば村全体をまわれてしまうくらい。
ここはもともとお城があったエリアだそうで、その頃の伝統的な家を再現した建物のショップやレストランが通りに並んでいた。
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教会もあった。中は意外と広く、雰囲気は良くあるヨーロッパの少し豪華な教会のようだった。
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天気が良くなかったのが残念。
近くに廃墟となった修道院もあったらしいが、天気が悪かったので断念…。
見るものというと、インフォメーション・センターの資料館と小さな家くらいな気もする。

3月5日 スパニッシュオムレツ

毎週火曜日は"Language Talking" Dayと自分で決めている(というか気づいたらそうなっていた)。


昼には、毎週2回会う友だちと話した。
彼らはまだ1年生で日本語を勉強し始めたばかりなので、文法に関する話題が多い。
今日は”〜と言っている”や”〜と思う”といった英語で言う"I say that"や"I think that"に当たる文法を知りたいということだったので、説明した。
本当に勉強熱心で、前回教えた単語も頑張って使っていた。

放課後には、上級生の生徒と会った。
彼女らは、希望が通れば日本への留学が来年できるらしい。
なので、日本の観光名所は日本の文化などを中心に話をしている。
今日は、東京と京都、それと日本にある世界遺産について簡単に説明をした。
東京の路線図を見せると、とても驚いていた。
JRでは路線が色分けされていることや、駅や車内の表示が英語併記であることを話すと感心していた。
個人的には、日本は外国人観光客に優しい国だと思う。
(しかし、日本人で英語で道や乗り換えをしっかり説明できる人が少ないことはちょっと残念だと思う)

電車は路線図さえ持っていればとても便利だと話しておいた。

満員電車のことも写真を見せながら話したけれども、あれはどうにかしてほしいと改めて思った。
一人ポーランド出身の子がいるので、次回はポーランドのことも聞いてみたい。


家に帰ると、ケイティが遊びに来ていた。
ここ数日は毎日遊びに来ている。先週までは休みだったが、今週から学校が始まったようだ。
今日はどの科目でどんなことをやったか話してくれた。

夕食は見慣れないものがでてきた。

ホストマザーに聞くと「スペイン風オムレツ」なのだとか。日本でも知っている人は知ってるらしい。
後々調べてみると、日本とイギリス周辺だけこのように呼んで、ヨーロッパ本土では「トルティージャ」と呼ばれるスペインの家庭料理なのだそうだ。日本とイギリスだけ呼び方が違うというものも珍しい。
見た目はパンケーキかお好み焼きに似ている。
(そういえば、アイルランドの学生の誰かがお好み焼きをジャパニーズオムレツと言っていた気がする…)
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堅焼きのオムレツかと思えばそうではない。
さすがここはアイルランド、中にはたっぷりのポテト。(しかもポテトだけ。just potatoである)
日本人がオムレツでライスを包むのだから、アイルランド人がポテトを入れても不思議ではないな。
(しかし、トルティージャでは大抵ジャガイモを入れるらしい。他にも具材が入ることが多い)

なかなか美味しかった。日本に帰ったら自分でつくってみよう。

今日はつかれていたようで、22時ころに早めの就寝。
残り10日、楽しい時間を過ごしたい。

3月4日 パンケーキ・デーとラッグウィーク

今日は、午前中に仕事とテレビに関する語彙と現在完了と過去形の違いに関する文法の授業を受けた。
午後はスポーツアクティビティが組まれていた。(毎週火曜日の午後は身体を動かしたりするようなアクティビティをリムリック大学の留学センターが企画してくれる)
今回は、大学から歩いて10分くらいのところの屋内パターゴルフ場でパターゴルフ。

植物に見えるものは全部造花で、ところどころに動物の模型があったりした。
パターゴルフなんて久しぶりだったけれども、なかなか楽しかった。たまにはこういうのもいい。
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パターゴルフをした後は大学へ戻って、パブへ寄った。
今週はラッグウィーク/ラグウィーク(rag week)という学園祭に近いような行事を行う週で、
大学のパブやストアがあるエリアでは、昼間から音楽が大音量で流れていたり、ちょっとしたアトラクションのようなもの(ロデオマシンとか)があって、たくさんの学生が楽しんでいる。

これはもともとチャリティを目的とした行事で、募金を募っていたり、スポンサー付きの行事を行うことでスポンサーからのお金を募金に回していたりするそうだ。
この期間は、通常通りに授業が行われ、大学の教授も授業の自主休講に寛容になるのだとか。
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私が行った頃には学内もパブは人で一杯となり、DJが大音量で音楽を流していた。ほとんどクラブのような状態だった。
こんなチラシが学内に貼ってあったりもする。
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おそらく、1杯減らしてチャリティに回そうという意味だと思う。
基本的に昼間から飲んでわいわい騒ぐようだ。
その場にいるだけで楽しい。ギネスを1パイント飲んで帰宅。



帰ると、夕食後にホストマザーがパンケーキを用意していた。
今日はパンケーキ・デー(パンケーキ・チューズデー)なのだという。
これは、イースターの約40日前に「灰の水曜日」という日があり、この「灰の水曜日」からイースター(復活祭)まではカトリックでは断食を行うことに由来している。
つまり、断食の前日にみんなの大好きなパンケーキをたくさん食べておこうという日なようだ。
(そこまでして断食をするなら断食しなきゃいいのにと思ってしまうけれども…)

ただ、断食といっても贅沢な物や大好きな物を控えるという意味らしい。

あるアイルランド人の友だちは3食パンケーキを食べると言っていたが、
今では、日本で言うバレンタインデーや節分の恵方巻きのようなちょっとした行事のような扱いのようだ。
学生寮によってはパンケーキパーティーをしたりもするのだとか。


ラッグウィークに乗じてギネスを飲んで、パンケーキ・デーでパンケーキを食べて、ちょっと贅沢な一日だった。

3月3日 アイリッシュに聞くアイルランド語事情

少しずつ日記がたまってきてしまってる…

こちらの大学では、午前2コマ(文法・語彙)、午後2コマ(プレゼンテーション)で授業を受けているけれども、どの授業もほぼ毎回課題を翌日の授業までにやってくることが求められるので、少し忙しい生活。
プレゼンテーションを中1日、翌日までというスパンでやらされたりもする。

今日の午後の授業では、持ち時間5分で何か身近な技術に関するプレゼンテーションをさせられたけれども、やはり準備不足が否めない…。
むしろ、人前で英文を考えながら堂々と話す練習だと思うくらいがちょうど良いのかもしれない。


今日の放課後には、応用言語学専攻の生徒と会って話をしてきた。
こちらに来てからは、週3、4回のペースで1時間ほど日本語専攻がある応用言語学科に所属している学生と話す機会をつくるようにしている。
同じ学生と3,4回会うのではなく、月曜日は彼女たち、水曜日は彼ら…というようになるべく色々な人と話せるようにしている。
色々な人とたくさん話す方が、楽しいことはもちろん、トピックや単語の偏りが少ないような気がする。あくまで個人的な感覚だけれども。


今日はかなりネタが無いので、アイルランドでの公用語について書いておく。

アイルランドは本来、アイルランド語ゲール語)が第一公用語となっている。
しかし、アイルランド語を日常的に話す人がほとんどいない。(ゲールタハトと呼ばれる一部地域を除いて)
実際に母語としている人は僅か数%ほどとも言われているくらいだ。

それでもアイルランドではアイルランド語を残そうという運動があって、
小学校からアイルランド語を学ぶ(ホストマザー談)そうだ。
ホストマザーの孫のケイティはアイルランド語の授業は楽しいと話していた。
さらに、街なかの標識などはすべて英語に加えてアイルランド語が併記されている。
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文法はよくわからない(動詞から始める…?)が、簡単な単語だけメモしておく。

こんにちは Dia duit.
ありがとう Go raibh maith agat.
リムリック Luimnigh
アイルランド Éire

正直、発音がかなり独特で難しい。
リムリック大学の学生に聞いてみたが、アイルランド語を日常生活で使うことはまずないようだ。
しかし、会社などの固有名詞でアイルランド語の単語が使われていることがあるので、そういう場面で単語として言うことはあるようだ。

3月2日 King John's Castle, Hunt Museum, St. Mary's Cathedral

毎週日曜日恒例のフルブレックファーストを頂いてから、
昨日のダブリン城へのDay Tripに続いて、今日も出かけてみた。
リムリックにも色々と面白いものがある。


まずはハント博物館(The Hunt Museum)。
大きな博物館ではなく、18世紀にイタリア人建築家によって建てられた税関(英語の解釈が間違えてなければ)として使われていた建物を博物館として使っている。
アイルランドの歴史家であるJohn Huntをはじめとするハント家のコレクションを中心に展示している。
新石器時代の器やオブジェクトから、19世紀の装飾品まで幅広い、考古学的なコレクションと美術品を観ることが出来た。
ちなみに、ここは日曜日だけ無料で入れる。
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ハント博物館をそのままシャノン川沿いに遡って北へ歩いて行くと、大きな教会が見える。
セント・メアリー大聖堂(St. Mary's Cathedral)。
この建物はリムリックに現存する最古の建物であるらしい。そしてタワーがとても高い。
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セント・メアリー大聖堂を通りすぎてそのまま北へ歩くと、すぐに大きなお城とかなり近代的な建物が目に入る。
ジョン王の城 - キング・ジョン・キャッスル(King John's Castle)。
ジョン王はかつてイングランドの王であったが、歴史上あまり評判の良い王ではないらしい。マグナ・カルタはこのジョン王の時に認められたものだ。
そのため、時代としては12〜13世紀頃建てられた城であると思うのだが…。
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ジョン王の城のすぐ近くにかかる橋を渡ったところには、条約の石(Treaty stone)がある。
これは17世紀後半に結ばれたリムリック条約を結ぶ際に、この石の上でサインされたことに由来して展示されているようだ。
リムリック条約のことは詳しくは知らなかったが、カトリックプロテスタント間の宗教戦争(Williamite War in Ireland)の平和条約のことだそうで、この条約の結果アイルランドカトリック信仰が守られたとされている。
イギリスはプロテスタント寄りでアイルランドカトリック寄りという宗教事情には、こういう背景があったのだろうか。
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実はこの景色は毎朝バスで見ていて、晴れた日の条約の石とジョン王の城のツーショットはとても好きだ。


川を下って行くと、たくさん鳥が集まっていた。
鳥達も人間にとても慣れていて、平気で近づいてきていた。
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ダブリン、リムリックといい週末を過ごせた。
ここで過ごす週末があと1回しかないと思うと、すこし心惜しい。

3月1日 Dublin, GUINNESS Storehouse

毎週土曜日はDay Trip。今日はダブリンへ。

リムリックからダブリンまではバスで2時間半くらい。
9時半ころにリムリックを出て、12時前にダブリンに到着。


まずはGUINNESS Storehouse。
アイルランドのダブリンは、ギネスビール発祥の地。
ダブリンのCity Centreから少し歩いたところにSt James's Gateにギネスの博物館(?)なギネス・ストアハウスがある。

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ギネス・ストアハウスはギネスの工場内にあって、8階建てくらいの建物だった。
1階にはギフトショップと一部の展示コーナー。さらに階を上がっていくと、ギネスに関する様々な展示がなされていた。
5階にはバーやレストラン。ここでお昼を食べておけばよかった…また来たい。
最上階には360度ガラス張りのバー。ここで入場チケットを提示すると1パイントだけ無料で飲める。
グラスを上から見ると、泡がシャムロック(アイルランドのシンボル)の模様になるように注がれていた。

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ダブリンの街を眺めながら飲むギネスはとても美味しかった。
展示もなかなか興味深いものばかりで来た価値があったと思う。


午後はダブリンの街を散策。
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アイルランド最大の都市だけあって、たくさんの人がいて、街自体も大きかった。

街ではSuperdryのストアを発見。
もともと英国のブランドだけども、ブランド設立者が日本にインスパイアされて「極度乾燥しなさい」というロゴを入れていることで有名(海外では)。
こっちの若者でSuperdryの服を着ているひとは多い。
服自体はとてもかっこいいんだけども、どうしても日本語のロゴが目についてしまうので、購入するのはやめた。
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ダブリン城にも足を運んでみた。
すべての建物がのこっているわけではないが、18〜19世紀に建てられた城の一部がいまでも残る。
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ダブリン城すぐ近くの庭では、桜が2分咲きだった。
桜にはあまり詳しくないので、もともとアイルランドにある種類かどうかはわからないが、ソメイヨシノではないようだった。
こちらでも少しずつ春が近づいてきているのかもしれない。
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日帰り旅行だったので、あまりダブリンに長居出来なかったことが残念。
もう今回の留学中に行ける時間はないだろうが、またいつか行ってみたい街だった。